3D都市モデル「Project PLATEAU」と「Procedural PLATEAU」のご紹介
はじめに
皆さん、こんにちは。研究開発室の大道です。私は普段、3D都市モデル「Project PLATEAU」を活用した研究開発に取り組んでいます。
今回のブログでは3D都市モデル「Project PLATEAU」および現在当社で研究開発中のプロジェクト「Procedural PLATEAU」について、簡単にご紹介させて頂きます。
3D都市モデル「Project PLATEAU」とは?
「Project PLATEAU」は2020年にスタートした日本全国の3D都市モデルのオープンデータ化プロジェクトです。
https://www.mlit.go.jp/plateau/
PLATEAU(PLATEAU VIEWで撮影)
出典:PLATEAU VIEW 2.0
国土交通省が主導してデータの整備を進めており、2021年度では全国56都市、2022年度は新たに全国71都市の3D都市モデルがオープンデータ化されました。3D都市モデルには建物や道路、植生など様々な地物データが含まれており、用途に応じたソリューション開発が可能です。
PLATEAUの地物
出典:総務省 第3回メタバース研究会
デジタルツイン実装モデル「PLATEAU」の取組みについて
オープンデータについては以下のリンクから確認できます。
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/plateau
「Procedural PLATEAU」のご紹介
2023年6月13日現在、PLATEAUは全国約130都市に拡大していますが、建築物のほとんどが白い箱モデル(以下LOD1モデルと記す)であり、テクスチャがありません。
そこで、当社で現在研究開発している「Procedural PLATEAU」では、任意のLOD1モデルに対して建物の外観であるファサードを自動的に生成することができるようにしました。
自動生成されたファサードについてはテクスチャにベイクすることが可能で、LOD1モデルと組み合わせることで軽量なテクスチャ付き3Dモデルが自動的に生成できます。
「Procedural PLATEAU」はBlenderのGeometry Nodesを用いて研究開発しており、以下の3つの特徴を持っています。
- PLATEAUの位置正確度に基づいたファサード自動生成
- PLATEAUのデータは地図情報レベル2500(縮尺1/2,500)に相当する位置正確度を採用しており、一定の基準で品質が管理されています。「Procedural PLATEAU」はこのデータの品質に影響を与えることなく、ファサードの自動生成を行います。
- LOD1モデルの特性を生かした軽量なテクスチャ付き3Dモデル
- LOD1モデルは低コスト・簡易な3D都市モデルとして作られており、非常に軽量なデータになります。「Procedural PLATEAU」ではこの特性を生かした状態でテクスチャを付与して、軽量なテクスチャ付き3Dモデルを作ります。
- 日本全国のLOD1モデルに対応
- 2023年6月13日現在、PLATEAUは全国約130都市に拡大していますが、その全てのLOD1モデルに対して、「Procedural PLATEAU」を適用することができます。そのため、テクスチャのあるLOD2モデルが整備されていない自治体でも建物の外観を自動的に生成することができます。
以上が「Procedural PLATEAU」のご紹介になります。
おわりに
今回のブログでは3D都市モデル「Project PLATEAU」と研究開発中のプロジェクト「Procedural PLATEAU」について、簡単にご紹介させて頂きました。
「Procedural PLATEAU」の技術的なお話については別途、ご紹介したいと考えています。
まだまだ発展途上な部分もありますが、「Procedural PLATEAU」に少しでも興味を持って頂けたら幸いです。
Reference
https://www.mlit.go.jp/plateau/learning/tpc03-3/
https://www.mlit.go.jp/plateau/open-data/
https://www.soumu.go.jp/main_content/000839747.pdf